学校法人 雀村学園 鵜ノ木幼稚園

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自信ついたね!

年長担任



 小さいときはどちらが利き手かはっきりしなかったような幼児でも、年長にもなると右左どちらかはっきりしてきます。

 

 私の担任するクラスのAちゃん。年少や年中のときはどちらも使っていたようですが、年長になって、なんでも左がやりやすいということで、今年度からは完全に左利きとして対応しています。

 

一学期のある日。

「せんせい、Aちゃんのはさみ、じぶんのとおんなじなんだけど、ちがう」

「? ああ、Aちゃんのはね、左を使って切ると切りやすく出来てるんだよ」

「ふうん。ちょっとかして。・・・やっぱり左じゃ切りにくい・・・」

「Aちゃん、やってみて」

「ほら。きれるよ・・・」

 

でも、製作の時にAちゃんをみていると、手元が少し不安げな様子。そのせいか、作品も何だか自信なさそうな感じがただよっていました。

一学期の製作は他日にも何回かしましたが、そのたびにAちゃんが元気がなくなってしまいます。切れないせい?はさみかな?切り方かな?いろいろかんがえましたが、製作以外では元気に活動しているので、少しAちゃんにまかせて様子見をしていました。

 

夏休みが明けて二学期。

夏休みの思い出の絵をそれぞれ描かせたところ、Aちゃんの絵が画用紙全体を使って大きくのびのびと描けているのがまず目に付きました。

そして製作。Aちゃんをみていたら

『ジョキジョキジョキ・・・』

なんとも思い切りよく上手にはさみを使って切っているではありませんか!Aちゃん本人に聞くと

「はさみをね、夏休みにうんと練習したんだよ。はじめは下手だったけど、いまはすごく上手」

と自信たっぷり。そういえば、Aちゃんは二学期になってから、全てのことに積極的になっています。はさみがうまく使えるようになった、そのことが全てに良い影響を与えているようです。

「よかったね!自信ついたね!」

「うん!」

 

私は『大人からみるとほんのささいなことでも、幼児にはとても大きなことなのかもしれない』ということを、そしてちょっとしたきっかけで大変身をする幼児を目の当たりにして『幼児の持つ可能性』を、改めて思い知らされました。


   
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